GREENS (1.0m Pair)
GREENS
さてGREENS(グリーンズ)の構造は非常に興味深いものです。何故なら単線と撚り線をハーフ& ハーフでBLENDしているからです。確かにこれまでも意図的に撚り線を調合したことはあります。しかし今回は完全に半分は単線、半分は撚り線で作っています。さて、どうなるか? 撚り線の音の悪さの理由については今回は省きますが、その音の悪い筈の撚り線を適宜用いることで新たな世界を創りだしました。無論TMDがわざわざ選ぶ撚り線、音がそんなに悪く無いのは当然なのですが単線と混ぜ合わせることで両者の長所を引き出すことが新たに可能となりました。詳しくは下記レポートをご覧ください。
GREENS
GREENS(グリーンズ)の試聴リポート
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
13. ア・デイ・イン・ザ・ライフ
パーフェクトに近い音。全ての音を余すことなく拾い、ただ拾うだけではなく旨い、美味しいっ!例えばバスドラの音、にくいね..と思い思わずニヤリとしてしまった。そのドラムの音の重量感や皮のたわみ、リミッターの深くかかったそのドラムサウンドは快感の一言。歌、声もいいジョレノンの声は甘く甘く切ない...... ....... ......。にしてもドラムのオカズの決まることキマること、かっこいい!
醸し出される音の雰囲気がとても柔らかく優しい。このデリケートなフルートやハープなどの演奏は硬く直球勝負のケーブルでは出ないのだが、やはりGREENSは違った。この曲はたまたまインターネットラジオを聞いていて出会って聞き惚れた。そう中程度の音量がベストだ。印象に残るフルートの音、とにかくリラックスできる。この手の曲、単線のみだとある種の緊張感のある音が出る時があるがそれが無いのがいい。
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
1. ルーモス! (ヘドウィグのテーマ) ジョン・ウィリアムス作曲
この曲でようやく撚り線と単線の素晴らしき融合が確認できました。危なっかしい撚り線はデンジャラス! 調合を誤っては元も子もない。オーディオ界では嫌われ者の"撚り線"は音が構造上濁るので不鮮明になります。特に隣り合っている導体が触れ合っているため音の経路の迷走は予測し難く多くは混沌とした音質結果となり果てます。しかし、しかしである、このGREENSでは見事に芸術的な調和を見せたのです。単線の場合、音の出方もシンプルぶっきらぼうである為、その個性が好きで無い場合はもう手の打ちようがないのです。撚り線が唯一、音質的に良好なケースを考えると一種のコーラス効果が美しく生じた場合だけです。ここが肝心で5本撚りとか7本撚りとかはコーラスの度合いを示すことになります。このコーラス効果多くは混沌になってしまいます。稀に美しいコーラス効果が生じ使える場合があるのです。特に単線との組み合わせにおいては単線の音と撚り線の音がMIXされ一つの音として新たに聞こえますから組み合わせ次第とも言えます。コーラス効果による音の柔らかさと単線による明確な描写力、これらが合わさる時、人は心地よさを感じるのです。無論これらはGND素材も含めた最終MIXとなるので設計が大事です。このハリーポッターの曲ではその組み合わせの良さが光りました。
TRIO Marcin Wasilewski Trio
「へぇ〜!」というのが第一印象。どうも私自身、撚り線は音が濁るというのが先入観としてあるので、この音には驚きました。この意外な心地よさ、何というか暖かさ、寛容さとでも言うのかそのようなものと、厳しさ、規律のようなモノ達が見事に共有されているのを始めて音として感じた。私の脳はそれを心地よいモノとして感受したのです。
撚り線と単線、このハーフ& ハーフが絶妙にマッチした。これまでにはない味わいが生まれた。単線直球的な音もいいがこのGREENSの醸し出すアナザーワールドに浸るのもまたよし。