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身近にあふれている日本語の興味深い具体的な言語事例を取り上げながら、認知言語学の基本的な考え方について、平易にわかりやすく、コンパクトに解説。ことばそのものに何かしらの興味・関心があれば、自然な形でスムーズに、かつ充実感を持って読み進められ、従来の入門書とは違う新鮮味あふれる認知言語学の世界を堪能できるでしょう。
(『はじめに』より抜粋)
本書『ことばの認知プロセス―教養としての認知言語学入門―』は、一般読者をその対象として書かれた、認知言語学の入門書です。
言語学と聞けば、一般にはかなり小難しいイメージを想起されて、何かしらの抵抗感をおぼえるという方も多いかもしれません。また言語学の前に「認知」ということばが付加されていることにより、なおのこと、さらに一層難しいイメージを抱いてしまう方もいるかもしません。確かに、このような言語学のイメージは、伝統的な言語学においては、間違いなく存在してきたといっても過言ではないでしょう。
しかしながら、本書で入門的な記述を提示していく、近年目覚ましい発展を遂げてきた認知言語学(cognitivelinguistics)と呼ばれる新しい言語学分野においては、このようなイメージからは大きくかけ離れていると言うことができると思います。読んで頂ければすぐに分かってくると思いますが、このように言えるのは、まさに認知言語学の基本的な考え方に集約されてくると思われます。つまり、言語現象の記述や説明を行っていくのに、私たちが日常生活を営んでいくうえで無意識の内に普段活用している認知プロセス(cognitive process)に着目して、その認知プロセスの観点から、言語現象の記述や説明を行っていこうとするからにほかなりません。一般に、このような考え方を採用することは、言語現象の実際的な姿形を直感的に分かりやすいものにしていくことができると同時に、小難しいイメージで塗り固められた言語学分野への抵抗感を払拭することにもつながっているように思われます。
本書では、このような認知言語学の研究の方向性を中核に据えながら、認知言語学の研究領域において提示されてきた多種多様な認知プロセスの中から、特に重要性の高いと考えられる、プロファイリング(profiling)/メタファー(metaphor)/ブレンディング(blending)と呼ばれる3つの認知プロセスについて、その基本的な考え方を紹介していきたいと思います。