【ジュエリー専門家監修】TPO別の真珠ネックレスの選び方!色や加工技術など選ぶポイントを徹底解説
カジュアルなシーンからフォーマルなシーンまで、真珠はさまざまなシーンで役立つジュエリーです。しかし、具体的にどの真珠を選べば良いか悩んでいる方もいるでしょう。真珠にはさまざまな種類があり、その品質も多岐に渡ります。
本記事では、真珠の種類から品質の見極め方、さらにはTPOに合わせた真珠ネックレスの選び方まで詳しくご紹介します。ご自身にぴったりの真珠ネックレスをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
長村 由起子(おさむら ゆきこ)
ジュエリー専門ライター・編集者
ジャパンジュエリービジネススクールを卒業後、神戸のカラーストーン卸会社に8年間勤める。その間、店舗・催事販売、リフォーム、仕入れ、買取業務、自社ブランドの立ち上げ、社員研修講師役まで様々な業務に従事。現在はジュエリー専門ライター・編集者として活動中。国内外のジュエリー会社のコーポレートサイトやブログを執筆・編集する。
保有資格:JBS宝石ジュエリー鑑別鑑定士、ジュエリーコーディネーター2級、ジュエリーリモデルカウンセラー2級、博物館学芸員
真珠の種類と特徴
真珠は、その神秘的な輝きと上品な美しさで古くから人々を魅了してきました。しかし、真珠にも様々な種類があることをご存知でしょうか。
代表的な真珠の種類としては、以下の4つが挙げられます。
- アコヤ真珠
- 白蝶真珠
- 黒蝶真珠
- 淡水真珠
それぞれが独自の特徴を持ち、異なる魅力を放っています。その特徴について詳しくご紹介します。
アコヤ真珠
アコヤ真珠はアコヤ貝を母貝とする真珠で、てりの良さが魅力です。養殖されるアコヤ真珠の形状は真円に近いものが多く、色は白やクリーム色が主流です。サイズは通常6〜7mm程度で、10mmを超えるものは希少となります。
養殖技術ができる前、真円の真珠は非常に希少なものでした。日本を代表する真珠ブランド「MIKIMOTO」の創始者である御木本幸吉が養殖真珠を世界で初めて成功させ、真円のアコヤ真珠を生み出しました。
日本では昔から簪などの装飾品や薬など様々な用途で使われており、親しみのある宝石として大切にされています。今でもフォーマルな場面や冠婚葬祭など、特別な機会に適したジュエリーとして重宝されています。
白蝶真珠
白蝶真珠は、主にオーストラリアやインドネシアなどの南太平洋地域で養殖される高級真珠の一種です。通常9〜18mm程度の大きさで、それ以上のサイズが採れることもあります。
色彩はシルバー、ライトイエロー、ゴールドなどのバリエーションがあり、華やかでインパクトがあります。
白蝶真珠はゴージャスで人の目を引き、パーティーや披露宴などの華やかな場にふさわしい存在感があります。大粒で美しい光沢を持つ白蝶真珠は、特別な場面に相応しいジュエリーと言えるでしょう。
黒蝶真珠
黒蝶真珠は、主にタヒチ周辺の海域で養殖されるアコヤ真珠よりも大ぶりなサイズの艶やかな黒色の真珠です。
色彩は黒、グレーなどと表現されますが、黒蝶真珠には赤色系・緑色系・黄色系の3つの色素が含まれており、それが複雑で様々な色調を生み出しています。
実際にたくさんの黒蝶真珠を並べてみると、レッドやブルーなど様々な色彩を持っていることがわかります。孔雀の羽のように深いグリーンの色調をもつ黒蝶真珠は通称「ピーコックグリーン」と呼ばれていて、最高の色として人気があります。
淡水真珠
淡水真珠は、湖や川で養殖される真珠の一種です。中国での養殖が盛んで、日本では琵琶湖などでも養殖されています。イケチョウガイなどの淡水二枚貝を母貝として用い、無核養殖が一般的です。
形状は楕円形が多いものの、ライス、ドロップ、バロックなど多様な形状が見られます。色彩もホワイト、ピンク、オレンジ、グレー、パープルなど豊富で、大小さまざまなサイズがあり、 最近ではほぼ真円のものも出てきています。
アコヤ真珠、南洋真珠、黒蝶真珠は母貝1つに対し1つしか真珠が取れませんが、淡水真珠の母貝の一つであるヒレイケチョウガイは一つの貝に対し10個以上の真珠を作らせることができます。そのため、他の真珠よりも比較的安価なことが多くカジュアルなアクセサリーにもよく使用されます。
真珠の品質を見極める6つのポイント
真珠の品質を正確に見極めるには、専門的な知識が必要です。真珠の品質を評価するうえでは以下の6つのポイントがあります。
- ①てり
- ②巻き
- ③キズ
- ④色
- ⑤サイズ
- ⑥形
それぞれの要素が、真珠の価値と美しさにどのように影響するのか、また、どのような特徴が高品質の指標となるのかを詳しく紹介します。
①てり
真珠特有の色、輝きを合わせて「てり」と呼び、真珠の美しさの基準となります。てりは、単なる表面の反射ではなく、真珠層を光が透過・反射することで生じる複雑な作用によって生まれます。
良質な真珠は、ピンクやグリーンの干渉色の色彩が豊かに表れているほど輝きも強くなる傾向があります。高品質なものほど真珠に写る自分のシルエットがはっきり見えるようになります。
また、てりの質は真珠の「巻き」(真珠層の厚さ)とも密接な関係があり、一定以上の厚みがあることで良質なてりが生まれやすくなります。
②巻き
真珠の「巻き」とは、核の周りを覆う真珠層の厚さを指します。
巻きが厚いほど、真珠は高品質で耐久性が高くなり、てりが生まれやすくなります。真珠層は、核となる物にごく薄い層が何百枚、何千枚と積み重なって形成されますが、厚さは養殖期間、環境、貝の種類によって変わります。
真珠独特の内側からの輝きや光沢を生み出すためには、一定以上の巻きが必要不可欠です。巻きが均等で厚いものほど高品質になりやすいですが、単に厚さだけでなく、結晶構造の質も重要な要素となります。また、実際の巻き厚を知るには専門の機材を使う必要があります。
③キズ
真珠の品質を評価するうえで、キズの少なさも重要なポイントです。表面のキズや凹凸が少ないほど高品質とされ、希少性も高くなります。
キズには、真珠が成長する過程で自然に生じる「えくぼ」と呼ばれるもの、加工時にできたものなど、様々な種類があります。
キズの評価ポイントは、数や大きさ、場所です。キズが少ないほど、またそのキズが小さいほど、良質とされます。
しかし、自然の中で生まれ成長する真珠のキズは、人間でいうホクロと同じように本来あって当たり前のものです。完全に無傷の真珠は非常に稀であり、キズの程度や位置、他の品質要素とのバランスを考慮して総合的に評価することが大切です。
④色
真珠の色彩は、実体色と干渉色の絶妙な組み合わせによって生み出されます。
実体色は真珠層を構成するタンパク質に含まれる色素に由来し、黒や黄色などの基本的な色調を決定します。一方、干渉色は真珠層を光が透過・反射することで生じるもので、ピンクやグリーンなどの浮かび上がるような色合いを指します。
真珠の色は、最終的に個人の好みや相性が大きく影響します。使用するシーンや用途に応じて最適な色を選ぶことも大切ですが、身につけた時に肌に合うかどうかも大切です。
同じアコヤ真珠でも実際に身につけて比べてみると、肌に合うかどうかがわかります。肌に合う色を身につけると、肌がワントーン明るくなったような印象を受けるでしょう。
希少な色は一般的に価値が高くなる傾向にありますが、時代や国によって人気の色も変動することがあります。
⑤サイズ
真珠は一般的に、大きいサイズの真珠ほど希少性が高く、それに伴って価格も高くなる傾向にあります。
サイズは真珠の「品質」そのものには直接影響しませんが、「価値」に大きく影響します。他の品質要素(てり、巻き、キズなど)が同等であれば、より大きな真珠の方が価値は高くなります。
また、真珠の種類によっても、一般的なサイズの範囲が異なります。例えば、アコヤ真珠と白蝶真珠では大きさの基準が違います。
サイズは真珠の価値を決める重要な要素ですが、他の品質要素と合わせて総合的に評価することが大切です。
⑥形
真珠の形状は、一般的に、真円が最も価値が高いとされています。ただ、真珠は個性的な形状も独特の魅力を持ち、人気を集めています。
形状は主に、丸(ラウンド)、ほぼ丸(セミラウンド)、やや変形(セミバロック)、変形(バロック)に分類されます。他にも、ドロップ型(しずく型)、ボタン型、オーバル型(楕円型)などがあります。
完璧な真円の真珠は、大きさが大きくなるほど希少で価値が高くなります。また、イヤリングやピアスに使われるような美しいドロップ型や、珍しい形、面白い形状のものなどは異なった基準で評価されることもあります。
一般的な評価基準では判断できないものが存在しているのが、宝石・真珠の面白いところです。
真珠の加工技術で美しさが変わる
市場で出回っている多くの真珠は何かしらの加工が施されている場合がほとんどです。調色と無調色、漂白・シミ抜き、着色、研磨など、それぞれの技術が真珠の外観にどのような影響を与えるのかを紹介します。
調色と無調色
調色は、ごくわずかなピンク色等に着色する処理です。ただこの目的は真珠本来の色を変えるのではなく、干渉色を補完し、より美しく見せるためにおこないます。人間でいう化粧に例えられ、真珠の魅力を増すためにおこなわれます。
一方、無調色の真珠は、調色を行わず自然な状態のままの美しさを保っています。いわば「すっぴん」に近い状態であり、多くの場合、品質が高くなければ流通しません。
ただし、調色よりも無調色の方が良いというわけではありません。大切なのはその真珠がちゃんと美しいかどうかを確かめることです。
漂白・シミ抜き
漂白・シミ抜きは、真珠層の中にある有機物や不要な色素を除去することで、真珠の色味を調整する処理です。漂白は一般的な処理方法であり、多くの真珠に施されています。
高品質な真珠ほど、最小限の処理で美しい輝きを放つことができます。
着色
着色は、真珠の色を変える加工技術です。一般的に、化学薬品や染料以外の物質を用いて行われます。よくあるのが硝酸銀による黒染めです。
しかし、着色は強い処理方法であるため、真珠を傷めてしまったり、褪色したりする可能性があります。過度な着色処理は真珠本来の品質や魅力を損なう恐れがあるため、適切な加工が求められます。
研磨
研磨は、真珠表面の微細な凹凸を滑らかに整えることで、光の反射や透過を改善し、てり(光沢)をよくします。
また、痛んでしまっている表面の真珠層を剥がし、中の美しい真珠層を表出させる方法もあります。
真珠ネックレスの選び方
真珠ネックレスの選び方は、場面や用途によって大きく異なります。本章では、フォーマルな場面とカジュアルな日常使いに分けて、真珠ネックレスの選び方をご紹介いたします。
フォーマルな場面におすすめの真珠ネックレス
一連の真珠ネックレスは真珠の優しい光が連鎖となり、華やかで気品ある輝きを放ちます。日本では冠婚葬祭などのフォーマルな場面で身につけるジュエリーとして定着しており、娘の成人のお祝いに家族から真珠ネックレスをプレゼントする話もよく聞きます。
その中でもアコヤ真珠の一連ネックレスは年齢関係なく身につけることが出来るフォーマルジュエリーです。直径7~8mmの真珠が一般的で、上品で洗練された印象を与えます。
黒蝶真珠のネックレスは、他の真珠には出せない厳かな品格があります。エレガントなイメージは大人の女性に人気があり、最近では男性も身につける方がいらっしゃいます。黒やグレーの色調は弔事にも適していますが、明るい色のドレスと合わせると華やかさが増します。
白蝶真珠は大きめで存在感があり、特に華やかな場面で使用されます。特にゴールデンパールはゴージャスなイメージになり、その場の雰囲気も明るくするようなエネルギッシュさがあります。ただし、弔事には不向きですので注意が必要です。
準礼装や略礼装の場合には、ロングネックレスも選択肢に入ります。特に夜のパーティーなどでは華やかさを演出できるのでおすすめです。また、慶事では「喜びが重なる」という意味から、二連や三連のネックレスも縁起が良いとされています。
弔事の場合は、派手にならない真珠が好まれます。控えめな印象を与えつつ、品格を保ちましょう。また、慶事ではどのような色の真珠を用いても問題ないですが、弔事では白や黒、グレーの色を用いることが一般的です。形も変形のものを選ばず、きれいな丸型を選びましょう。
カジュアルな日常使いにおすすめの真珠ネックレス
カジュアルな日常使いの真珠ネックレスは、気軽さと個性を重視しつつ、洗練された印象を与えます。
バロック真珠は不規則な形状が特徴で、カジュアルなスタイルにぴったりです。表情が豊かで、軽やかさがあります。個性的な装いを楽しみたい方におすすめです。
淡水真珠は比較的安価で、様々な形や色が楽しめます。カジュアルなデザインのものも多く、日常のアクセサリーとして身につけるのも良いでしょう。
一粒真珠のネックレスは、シンプルでどんな服装にも合わせやすく、デイリーユースに最適です。アジャスター付きのネックレスであれば、シャツやUネック、Vネック、ハイネックなど様々な襟元に合わせることができ、テクニックいらずでおしゃれに決まります。
ロングネックレスは、2重や3重にしてアレンジが出来るものも多く、つけるだけでシンプルな服装を華やかに演出できます。前で括ったりスカーフと合わせたりなど、様々なスタイリングを楽しみたい方におすすめです。
カジュアルな着こなしのポイントとして、ジーンズやTシャツのようなラフなアイテムと真珠を合わせることで、こなれ感が出ます。シャツとの組み合わせでは、小粒の真珠を選ぶとさりげない上品さが演出でき、オフィススタイルにもぴったりです。
また、シンプルワンピースに真珠ネックレスを加えることで、ワンランク上のオシャレを楽しめるでしょう。
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真珠を選ぶ際は6つの品質ポイントを踏まえて選ぼう
真珠ネックレスの選び方について、種類や品質、加工技術、シーン別の選び方まで幅広く解説しました。
真珠の種類にはアコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠、淡水真珠などがあり、それぞれに特徴があります。品質を見極める6つのポイントは、てり、巻き厚、キズ、色、サイズ、形です。加工によっても真珠の美しさや耐久性が変わることを理解しましょう。
フォーマルな場面とカジュアルな日常使いでは、選び方が異なります。自分に合った真珠ネックレスを選ぶことで、ファッションがより魅力的になります。
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