弟子:いつも聞こうと思ってたんですけど、こういう植木鉢ってどこに売ってるんですか?
師匠:ここだよ。
弟子:いや、そうじゃなく、普通、一般的に。
師匠:だから、ここだって。あるいはコンビニ?
弟子:もういいです。雰囲気のいい鉢ですね。
師匠:うむ。作った方は山野草にも精通している作家さんなんだよ。
弟子:これは益子焼の作家さんの作品ですよね?
師匠:そう。仲良くさせてもらっておる作家さんの物でね、付き合いはかなり長くなるね。
弟子:贅沢な感じですね。
師匠:“植木鉢”というよりはもう、いわゆる“焼き物”だからね。
弟子:中途半端な大きさの植木鉢ってありますよね。アレ困るんですねー。
師匠:その点、これは素晴らしいよ。山野草を引き立たせる肌の感じも申し分ない。
弟子:べた褒めですね。
師匠:良い服を着たいと人が思う様に植物にも気を使うべきなんだよ。
弟子:うんうん。そう思います。
師匠:鑑賞するも良し、他人に自慢するも良しだね。
弟子:発泡スチロールやプラスチックはやだよね。
師匠:良い植木鉢にするとおのずと水やりも丁寧になるものだしね。
弟子:そういう人は植物が沢山あってもガチャガチャには置いてませんもんね。
師匠:その通り。いいこと言うね。
弟子:真山茜さんってどんな人なの?
師匠:知りたいの?
弟子:もちろん。
師匠:真山 茜。1968年東京生まれ。現在26才。
弟子:違うじゃん。
師匠:陶芸家古木良一氏に師事。
弟子:うんうん。
師匠:1996年益子にて独立・築窯。
弟子:今は?
師匠:現在も益子町にて絶賛創作活動中。
弟子:作風なんかは?
師匠:全て手びねりの一点モノで同等品という物がない。
弟子:ほほう。
師匠:だから紹介するのが大変。
弟子:あなたの手間の話はいいよ。
師匠:鉢の一部を破ったり、鉢口位置が奇抜だったりの奇想天外さ。
弟子:そうだよね。こちらの創作意欲も湧く感じだよね。
師匠:植え込み作家御用達。
弟子:そうでしょうとも。
師匠:植木鉢は基本的に肉薄でシャープな感じ。
弟子:肌色もキリッとしてますもんね。
師匠:そうだね。女性ならではの繊細さが見事に表現されていて個展でも大人気だね。
弟子:こういう鉢は出会いですよねー。
師匠:ほんとそう思うよ。逃したらもう終わり。