【JAZZ】NEVER LET ME GO ロバート・ラカトシュ・トリオ『澤野工房』
【AS066】
【パーソネル】
Robert Lakatos : piano
Fabian Gisler : bass
Dominic Egli : drums
【収録曲】
1 All Or Nothing At All
2 Never Let Me Go
3 My Favorite Things
4 Last Time Together
5 Weaver Of Dreams
6 Ray's Idea
7 The More I See You
8 Estate
9 Waltz For Sue
10 When Will The Blues Leave
11 Till There Was You
12 You're My Everything
【ライナーノーツ】
コイツは音が良い。ピアノもベースもドラムスも実に深い響きを伝えてくる。空間を感じさせる見事な録音だ。皆さんはもしかしたら「そりゃサワノだもの」と、ありがたくも仰るだろうか。たしかにその点自負してはいるが、それにしても、というところなのだ。
そういうわけで、所謂「サワノ・サウンド」の愛好者はまず必聴です、と申し上げる。しかし、CDに収められた音楽を一杯の珈琲に例えるならば、それはとりあえず器が良いという話でしかない(……ぜいたく?)。問題はもちろん、珈琲そのものだ。その味わいはと言うと、非常にコクがあり、口あたりがなめらか。これは数種の豆をやや深めに焙煎したヨーロピアン・ブレンドをアルプス水源のミネラル・ウォーターでじっくりと淹れたものに違いない。豆…演奏者…の産地はハンガリー(p)とスイス(b、ds)だ。
Lakatos二年越しの新作は前作にも増して味わい深いものに仕上がった。前作を聴いた折には古代桜のつつましい花盛りを想起したものだが、今回はある意味もっと艶のある美しさだという気がする。アンティーク家具の、磨き上げられたマホガニーの木肌に夜の灯りが室内を映し出す。その中に見えるものは花瓶に溢れんばかりの真紅の薔薇……。本当に繊細に選ばれたソロの一音一音がテーマ・メロディの世界を鮮やかに表現し、テーマが美しければ美しいほど、ソロもまた美しい。もちろん、それはバラード演奏において最高度に結実する。表題に選ばれたTr.2はまさに絶品だ。
寛ぐつもりで飲みはじめた珈琲に、気がつけば何か呼び覚まされ却って心昂ぶっている、そんな自分に出会うかも知れない。おかわりが欲しい?ご安心あれ。この音楽は今日からずっとあなたのそばにあるのだから。
Text by 北見 柊
【録音年:録音年:2007年 発売日:2007.4.20】
『かおりオーナーのお勧め!』に選ばれたJAZZ CDです!『2010年11月』
澤野工房さんのCDは、個人的に好きで以前から何枚か持っていたのですが、
このCDは、今年のハイエンドショウ出展の際に、澤野工房さんのブースで試聴させていただいて購入しました。「ピアノのお勧めはどれですか?」とお尋ねしましたら、3種類ほどお勧めを教えていただいて試聴後
「ちょっと硬い感じ」という、この、NEVER LET ME GOロバート・ラカトシュ・トリオに決めました。「硬い感じ」といっても「柔らかすぎず、硬すぎず」という感じで、(なんだかパスタのゆで具合みたいですが・・・)
甘すぎない、ちょっとクールな感じがとっても気にっています。CDの紹介ページには、
>至福の夜へと誘う絶品のバラード。
という一行がありますが、そう、どちらかといえば、朝より夜が似合います。
仕事から疲れて帰宅後、おやすみ前にちょっとすっきり、いかがでしょうか。